気付けばそこに奴がいる

夜中に目が覚めてしまったとき、トイレに行こうか迷ったこと、ありませんか?
先日、私も深夜2時ごろに目が覚め、寝ぼけながらトイレへ向かいました。
普段なら特に気にせず用を足して布団に戻るだけなんですが、この日は違いました。
ふと頭に浮かんだのが、今年一番売れた小説『変な家』。
あの間取り図の不気味さや、奇妙な展開が突然脳内を駆け巡り、「いやいや、今このタイミングで思い出すのはやめて!」と心の中で突っ込みました。
廊下を戻る途中、背後が気になって振り返ってみたり、天井から何か落ちてきそうな気がしてソワソワしたり。結局、布団まで小走りで戻る始末です。
おかげで完全に目が覚めてしまいましたが、そこでふと思ったんです。 「これも小説の楽しさだよな」って。
小説が日常を彩る理由
小説の魅力は、単にストーリーを追うだけではありません。
登場人物になりきって彼らの視点で世界を見ること、そして物語の中で「自分ならどう動くだろう」と考えることが、小説の醍醐味だと思うんです。
たとえばミステリー小説。
探偵が手がかりを追う場面で「自分だったらここに気づけるかな?」なんて想像するのは楽しいし、「いやいや、そこはこう動くべきでしょ!」と俯瞰的に考えるのもまた面白い。
そんな風に小説を楽しんでいると、日常の何気ない光景も新しい視点で見られるようになります。
街でふと目が合った人を見て、「この人、実は重大な秘密を抱えてるんじゃないか?」と勝手に想像したり。
普通の景色が、自分だけの物語になる感覚、たまりませんよね。
小説がくれるワクワクとドキドキ
冒頭のトイレの話のように、小説は日常に「余韻」というスパイスを残してくれます。 それがホラーでも感動ものでも、心が揺さぶられる経験が日々の生活に刺激を与えてくれるんです。
私の場合、以前読んだファンタジー小説の影響で、夜の公園を歩いていたら、木の影が魔物に見えてしまい、心の中で全力の戦闘準備をしたこともあります。
今では笑い話ですが、当時は本気でビビりました。でも、そのドキドキですら、楽しい記憶として心に残っています。
小説を読むメリット
小説を読む習慣には、こんなメリットがあります
- ストレス解消 物語に没頭することで、日常の悩みを忘れることができます。一種の「心の旅行」ですね。
- 想像力の向上 描かれた情景や感情を想像することで、創造力が鍛えられます。仕事や趣味にも役立つ力です。
- 共感力が高まる 登場人物の感情に寄り添うことで、他人の気持ちに共感しやすくなります。これが人間関係にも良い影響を与えるんですよ。
- 語彙力や知識が増える 小説を通じて新しい言葉や考え方に触れられるので、自分の引き出しが増えていきます。
おすすめの小説3選
小説の素晴らしさをもっと感じたい方に、ぜひ読んでほしい3冊をご紹介します。
- 『アイネクライネナハトムジーク』(伊坂幸太郎) 日常の何気ないつながりが、思いがけず素晴らしいドラマに変わる物語。読めば、何気ない出会いや会話がいかに尊いものかに気づかされます。
- 『木曜日にはココアを』(青山美智子) 心がほっと温まる連作短編小説。何気ない日常の中で、人と人とのつながりが織りなす優しさと温かさが詰まっています。
- 『名探偵のままでいて』(小西マサテル) 今年一番美しいと感じたミステリー。探偵の視点から紡がれる物語は、真相にたどり着いたときに深い感動を与えてくれます。
日常に物語を取り入れてみませんか?
小説はただの娯楽ではありません。 それは日常に新しい視点を与え、退屈な景色すらも輝かせてくれる魔法のツールです。
夜中にトイレでビクビクしたり、何気ない光景に物語を見つけたりする楽しみは、小説を読むからこそ味わえるもの。
まずは気軽に手に取れる短編小説や人気シリーズから始めてみませんか?きっと新しい世界が待っています。
それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!