ボードゲームの魅力と我が家のブーム

最近の子どもたちはどんな遊びをしているでしょうか?
かつて子どもたちの遊び場だった公園は、キャッチボールやサッカーの禁止などで遊びにくくなり、昔ながらの駄菓子屋も姿を消しました。
コロナ禍の影響もあり、友達の家に遊びに行く習慣も激減。
外遊びの機会が減る一方で、テレビゲームばかりをする子どもを叱る親自身がスマホゲームに夢中、そんな家庭も少なくないのではないでしょうか。
私自身、ボードゲームの大ファンですが、最近は子どもたちが自発的にボドゲを楽しむようになり、家の中にとてもいい循環が生まれています。
今回の記事では、ボードゲームがもたらす数々の科学的メリットに加えて、我が家で盛り上がっているおすすめのボドゲ3選をご紹介します。
ボードゲームが子どもの成長に与える科学的メリット
認知機能や脳の発達への影響
ボードゲームは単なる遊びではありません。
認知心理学や教育研究においても、ボードゲームが子どもの脳や学力に与える良い影響が繰り返し確認されています。
まず注目すべきは、実行機能の発達です。
ワーキングメモリ(作業記憶)、抑制力(衝動をコントロールする力)、認知の柔軟性(視点を切り替える力)などがボードゲームを通じて鍛えられることが明らかになっています。
特に、サイコロや数字マスを使ったゲームでは、数字の感覚や計算能力、数量概念の向上に役立つという研究結果もあります。
さらに、チェスや将棋のような戦略ゲームでは、先を読む思考力や論理的な判断力が求められるため、前頭前野を活発に使うことになります。
また、言葉を使うゲームでは語彙力や表現力が育まれ、記憶や注意を要する神経衰弱のようなゲームでは、集中力の維持や記憶力の訓練になります。
中にはADHDの傾向をもつ子どもに対して、ボードゲームによる注意力改善が見られたという研究もあり、教育的にも極めて価値の高い遊びと言えるでしょう。
社会性や感情調整能力への効果
ボードゲームの最大の特徴は「他者と一緒にプレイする」ことです。
これにより、社会性や感情コントロールの力が自然と育まれます。
たとえば、順番を守ること、ルールを守ること、負けても我慢すること。
これらはすべてボードゲームの基本的な動作の中に組み込まれています。
最初は負けて悔しくて泣いてしまうこともあるかもしれませんが、繰り返すうちに「悔しさをコントロールする力」が育ち、感情の成熟にもつながります。
また、協力型ゲームや交渉型ゲームでは、相手と協力したり、相手の立場を理解したりといった共感力・協調性が自然と求められます。
このプロセスを通じて、相手の気持ちを推し量る力やチームワークの大切さが身につくのです。
家族・友人とのコミュニケーション強化
ボードゲームには「つながる力」があります。
家族でボードゲームを囲むと、自然と会話が生まれます。
ルールの説明から始まり、プレイ中のやりとり、終了後の感想まで、普段はなかなか話さない子どもともしっかりコミュニケーションを取ることができます。
さらに、ボードゲームは「共通体験」になります。
ドキドキしながらサイコロを振った場面、奇跡の一手で逆転勝利した瞬間。
そうした感情を共有することで、家族や友人との絆はより深まります。
ボードゲームは、親子の会話を増やしたいと願う家庭や、友人との関係を築くきっかけを探している子どもにとって、最高のツールです。
我が家でブームのボードゲーム3選

このゲームは、ねずみのコマを進めて、後ろから迫ってくるネコにつかまらないように逃げるという、ドキドキのレースゲームです。
サイコロを振るだけのシンプルなルールですが、どのねずみを進めるか、どの部屋に逃げ込むか、判断の連続。
遠くの高得点のチーズを狙うか、近くの安全な部屋で妥協するか。
一手の重みが、驚くほど深い!
中盤以降はネコが2倍速で迫ってくるため、ゲームは白熱。
逃げ切れるか、捕まるか、家族全員が大声を上げて盛り上がります。
このゲームは「判断力」や「先を読む力」だけでなく、「運を信じる勇気」「失敗から学ぶ経験」も味わえる良作です。
2003年のドイツ年間ゲーム大賞キッズ部門受賞もうなずける完成度です。

ドブルは「どこにでも、誰とでも、すぐに遊べる」万能カードゲームです。
ルールは簡単。55枚の丸いカードを見比べ、2枚の中から同じイラストを誰よりも早く見つける。それだけです。
が、この「たった1つだけ共通する図柄を見つける」というルールが想像以上に難しく、そして面白い!
観察力・瞬発力・反射神経が試されるため、遊びながら図形認識力や注意力が鍛えられます。
5種類のミニゲームが用意されており、子どもも大人も飽きずに繰り返し遊べます。
寝る前の10分、ちょっとした待ち時間、誕生日パーティーのアクティビティ、あらゆる場面で大活躍するゲームです。

神経衰弱形式のかわいいクマのカードゲームです。
パジャマ姿のクマ、はちみつを抱えたクマなど、思わず大人も笑顔になるような絵柄がいっぱい。
神経衰弱といえばルールが難しそうに思えるかもしれませんが、このゲームは2~3歳でも感覚的に楽しめるよう設計されています。
「順番を待つ」「ルールを守る」といった基礎的な社会スキルを学ぶ入口として最適です。
また、カードの絵柄を元に「このクマはどんなクマ?」とお話を作る遊び方もあり、想像力や表現力も自然と鍛えられます。
記憶力、言語力、社会性を楽しく育てたいご家庭にぴったりのゲームです。
まとめ:遊びは最高の学び
ボードゲームは、単なる娯楽ではありません。
記憶力、注意力、論理的思考、社会性、共感力、そして家族との絆。
あらゆる力を自然に、楽しく、バランスよく育ててくれるのが、ボードゲームの魅力です。
しかも、一緒に笑って、悔しがって、喜びを分かち合える。
こんなに優しい学びの場が、家の中にあるなんて、最高じゃないですか?
今日も、子どもたちの「もう1回!」の声に応えて、サイコロを振りましょう。
それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!