ゲームで脳を鍛えろ

ゲームは悪だという考え方は、もはや時代遅れだ。
確かに、ソーシャルゲーム(ソシャゲ)にハマって課金地獄に陥る、ゲームに依存して仕事や人間関係を犠牲にする。
こうした極端なケースは問題視されるべきだろう。
しかし、適切なゲームの活用は脳トレ以上の効果をもたらし、認知能力の向上に寄与することが科学的にも示されている。
今回は、ゲームが脳機能に与える良い影響、どのようにゲームを活用すれば脳トレとして最適化できるかを深掘りしていく。
ゲームが脳機能を向上させる科学的根拠
近年の研究では、ゲームが認知機能を向上させることが明らかになっている。
特に、以下の能力が向上することが分かっている。
- 意思決定力 – 瞬時に状況を判断し、最適な選択をする力
- 判断力 – 素早く正しい決断を下す能力
- 空間認識力 – 3D空間を把握し、論理的に操作する能力
- マルチタスク能力 – 複数の情報を同時に処理するスキル
例えば、マリオシリーズのゲームを1日30分、2ヶ月間プレイさせた実験では、海馬や前頭前皮質などの脳のサイズがMRIで確認できるほど増加したというデータがある。
海馬は記憶力や学習能力に関わり、前頭前皮質は意思決定や問題解決能力を司る部分だ。
つまり、適度なゲームプレイは脳のトレーニングとして有効なのだ。
ゲームは認知症や統合失調症の治療にも活用されている
アルツハイマー病の予防・治療
認知機能が低下した高齢者にゲームをプレイさせると、記憶力や注意力が改善することが確認されている。
脳を刺激することで、神経回路の衰えを防ぐ効果が期待されている。
統合失調症の治療
統合失調症患者に特定のゲームをプレイさせた実験では、認知機能の向上が見られた。
特に、前頭前皮質の活性化が促され、意思決定力や注意力の改善が報告されている。
脳を鍛えるためにはどんなゲームを選べばいいのか?
ゲームの全てが脳に良い影響を与えるわけではない。
重要なのは、どんなゲームを選ぶかだ。
おすすめのゲームジャンル
ストラテジーゲーム(戦略ゲーム)
- キングダムラッシュシリーズ
- タワーディフェンス型のゲームで、戦略的思考・計画力・判断力が鍛えられる。限られたリソースで最適な戦術を組み立てる楽しさがあり、ゲームを進めるたびに思考力が鍛えられる
- スタークラフト
- 世界的に有名なリアルタイムストラテジー(RTS)で、素早い意思決定とリソース管理能力が求められる。対戦相手の行動を予測しながら戦略を練る必要があり、マルチタスク能力と論理的思考力を鍛えられる
アクションゲーム
- スーパーマリオシリーズ
- 反射神経や空間認識能力を鍛えるのに最適なゲーム。シンプルな操作ながら、ステージごとに異なるギミックがあるため、適応力や問題解決能力も養われる
- ドンキーコングシリーズ(特に新作)
- 今年、発売された新作『ドンキーコング』は、シリーズ史上最高傑作との呼び声が高い。絶妙な難易度調整が施されており、単にアクションゲームとして面白いだけでなく、タイミングの正確さや判断力が求められる。また、協力プレイができるのも大きな魅力で、家族や友人と一緒にプレイすることでコミュニケーション能力も鍛えられる
協力型アクションゲーム
- オーバークックシリーズ
- 「協力しながらレストランを運営する」というゲームで、マルチタスク能力・コミュニケーション能力・判断力が試される。チームで効率よく料理を作り、役割を分担する必要があり、リアルな職場環境でも役立つスキルが鍛えられる。まさにゲームで学べる究極の脳トレ
- リビッツ! ビッグ・アドベンチャー(リトルビッグプラネットシリーズ)
- かわいらしいキャラクターを操作しながらパズルを解くアクションゲーム。特に協力プレイが求められる場面が多く、チームワークが重要。相手と連携しながらステージを攻略することで、空間認識力や柔軟な思考力が向上する。
子どもにおすすめのゲーム(アナログ要素を含む)
- ドラThink
- ゲームを進める中で、論理的思考力や発想力を鍛えることができる。特にアナログな紙を使った仕掛けがあるため、デジタルに頼りすぎずバランス良く学習できる
- 少年探偵団と丘の上の奇妙なカラクリ屋敷
- 推理力や論理的思考力を鍛えられるミステリー系のゲーム。本格的な謎解き要素があり、子どもだけでなく大人も一緒に楽しめる。ゲーム内では、デジタルとアナログが融合した仕掛けが満載で、紙を使った謎解きも登場。直感力や発想力を鍛えるのに最適な作品。
ゲームの効果を最大化するために重要なこと
- 「これは脳トレだ」と意識する(プラシーボ効果)
- 「ゲームで脳を鍛える」と意識することで、実際にその効果が高まる
- 時間を決めてプレイする(セルフコントロール)
- 1日30分〜1時間など、決められた時間内でプレイする習慣をつける
- 自分との約束を守る習慣を作る
- 「30分プレイしたらやめる」と決めたら、それを守ることが重要
ゲームは「遊び」ではなく「脳トレ」だ
適切なゲームの選び方・遊び方をすれば、それは脳を鍛える最高のツールになり得る。
大切なのは、ゲームを「ダラダラやる」のではなく、「能動的に考えて、目的意識を持ってプレイする」こと。
遊びながら学ぶ、これほど理想的な学習ツールはないかもしれない。むしろ、大人こそゲームをうまく活用することで、楽しみながらスキルアップできる可能性がある。
さあ、今日から「遊びながら成長する」という意識を持ち、ゲームを人生のポジティブな習慣に変えてみよう。
それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!