健康管理

身体活動の強度を見える化する

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最近、健康やダイエットの話題で「METs(メッツ)」という言葉を耳にしたことはありませんか?

METsは、日常生活の動作から本格的な運動まで、どれくらい体に負荷がかかっているかを安静時の何倍という形で表してくれる指標です。

「ウォーキングや家事がどのくらいの運動量になるの?」

「同じ時間運動しても強度が違うとエネルギー消費も違うって本当?」

そんな疑問を、METsを知るとすっきり解消できます。

今回の記事では、このMETsの基礎知識からカロリー計算への応用、そして健康づくりやダイエットへの活かし方までを掘り下げて紹介します。

METs(メッツ)とは?基礎知識と定義

METs(Metabolic Equivalents)は「代謝当量」とも呼ばれ、安静に座っているときのエネルギー消費量を1倍として、身体活動の強度を相対的に示す単位です。

たとえば「3 METs」は安静時の3倍のエネルギーを使う活動を意味します。

安静時に座っている状態だと、体重1kgあたり1分間に約3.5mLの酸素を消費していますが、これを1 METと定めており、そこからどれだけ上乗せされるかを見るわけです。

ポイントは「安静時を基準にした単純な倍数」

日常生活や運動の強度を数字で比較できるので、健康づくりやカロリー計算に非常に役立ちます。

日常生活からスポーツまで:主なMETs値の目安

日常生活の動作

  • 座って安静に過ごす:1.0 METs(テレビを見ている状態など)
  • ゆっくり散歩(時速3km以下):2.0~2.8 METs
  • 普通の速さで歩く:4METs
  • 掃除機がけやモップ掛け:3.3~3.5 METs
  • 階段を下る:3.5 METs
  • 早歩き:5 METs
  • 階段を上る:6,8 METs

運動・スポーツ

  • 軽いジョギング:6,5 METs
  • 平泳ぎやクロール(ゆっくり):5~8 METs
  • 筋トレ(中負荷) :3.5~6 METs
  • サイクリング(時速20km前後):8 METs
  • HIITトレーニング:11 METs

こうして見ると、家事でも3~4 METsの強度になることがあり、短時間でも侮れないエネルギー消費になります。

METsとカロリー計算の基本

METsの値を使うと、その活動でどれだけカロリーを消費しているかの目安がつかめます。

計算式の一例としては、次のようなものがあります。

「消費エネルギー(kcal) = METs × 運動時間(時間) × 体重(kg) × 1.05」

たとえば、体重50kgの人が6 METsのジョギングを30分(0.5時間)行った場合、

6 × 0.5 × 50 × 1.05 ≈ 157.5kcal

1回のジョギングでおおよそ150kcalほど消費できるとわかれば、ダイエットや食事管理に活かしやすくなります。

※厳密には安静時消費分が含まれていますが、運動中の消費量を手軽に見積もるには十分です。

METsを活用するメリット:健康づくり・ダイエット・運動計画

健康ガイドラインの目安

厚生労働省やWHOは、健康増進のために週に合計23 METs・時以上の身体活動を推奨しています。

自分がどれだけ体を動かしているかを客観的に知ることで、運動不足を簡単に把握できます。

ダイエットへの応用

METs値で消費カロリーを推定すれば、「あと何kcal分、運動で消費したいか」が分かるため、食事制限との併用も計画的に行いやすくなります。

例えば「早歩き(4 METs)を1時間行うと、体重60kgの人で約250kcal消費する」と試算できるので、目標に合わせて運動内容を調整可能です。

運動処方・トレーニング管理

医療機関やトレーナーが個人に運動メニューを組むときにもMETsは利用されます。

・ 中等度の運動を毎日続けるか、高強度を短時間で週数回行うかなど、自分の体力や目標に合わせて最適化できるのです。

METsを日常に取り入れるためのアクションプラン

まずは「自分がどんな活動をしているか」を記録

家事・通勤・運動など、その行動が何METsなのか調べてみると面白いはず。

国立健康・栄養研究所の「身体活動のメッツ表」などを参照すると詳しい値が載っています。

https://www.nibn.go.jp/eiken/programs/2011mets.pdf

スモールステップで身体活動をプラス

いきなり高METsの運動を目指すより、まずは「階段を使う」「いつもよりやや速く歩く」などで3~4 METsを確保してみましょう。

ウォーキング+軽めの筋トレ

ウォーキング(3~5 METs)に加え、筋力トレーニング(3.5~6 METs)を週2回程度取り入れると、身体機能の維持・向上に効果的です。

慣れてきたら少しずつメニューをステップアップさせると継続しやすいでしょう。

まとめ:「少し強めに動く」を意識して健康アップ

METsは、日々の動きや運動強度を数字で可視化してくれる優れた指標です。

私たちは普段の家事や通勤、ちょっとした散歩でも、意外と安静時の何倍もエネルギーを使っています。

逆に言えば、少しスピードアップしたウォーキングや軽いジョギングを日常に加えるだけで、METsはあっという間に増やせるのです。

「もっと動かねば」と漠然と感じるのではなく、「今日は◯METs分の活動をできた」という数字があると、達成感が得られ、続けるモチベーションも上がります。

ぜひあなたの生活にもMETsをうまく取り入れて、健康的な毎日を目指してみてください。

それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!

PROFILE
のりたま
のりたま
僧侶兼主夫として働く、三人娘の父親ブロガー
健康的で、SDGsな子育てや、人生の質を向上させる有益な情報を発信します。
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