アドラー流子育て術
「どうして言うことを聞いてくれないの!」 つい感情的になり、怒鳴りつけてしまう。
その後、子どもの悲しそうな顔を思い出して自己嫌悪…。こんな悪循環に悩んでいる親は少なくないはずです。
実は、私自身も同じ悩みを抱えていました。
子どもに対して「なぜわかってくれないの?」と怒りをぶつけては、その後に後悔する毎日。親として何が正しいのかわからず、もがいていました。
そんなときに出会ったのがアドラー心理学。
特に「子どもも一人の人間であり、親の所有物ではない」という教えに救われました。
今まで無意識のうちに「子どもを自分の思い通りに動かしたい」と考えていたことに気づかされたのです。
その瞬間から、私の子育ての向き合い方が少しずつ変わり始めました。
アドラー心理学の3つの基本理念
アドラー心理学は、子育てを考える上での指針となる3つの理念を提案しています。これらを理解するだけで、親子の関係がぐっと楽になるはずです。
①目的論:子どもの行動には理由がある
子どもの行動には必ず目的があります。
例えば、わざと片付けをしないのは「親の注意を引きたい」からかもしれません。
ただ怒るのではなく、「何が目的なのか」を考えることで、子どもの気持ちに寄り添えるようになります。
②課題の分離:親と子どもの責任を分ける
「これは誰の課題?」を意識することで、親子関係の負担が減ります。
宿題をやるかどうかは子どもの課題。親は結果に責任を持つ必要はありません。
あくまでサポート役に徹し、子どもが自分の課題に向き合う力を育てることが大切です。
③勇気づけ:結果ではなく努力を認める
叱るのではなく、子どもの挑戦や努力を認める声掛けをしましょう。
例えば、「失敗しても挑戦したことが素晴らしいよ」と伝えるだけで、子どもは次の一歩を踏み出す勇気を持てるようになります。
子育ての現場で役立つアドラー流の考え方
怒りをぶつけるのではなく「未来」を話し合う。
以前の私は、子どもがルールを破ると「どうしてできないの!」と怒ってばかりでした。
でも、アドラーの教えを実践するようになってからは、「これからどうする?」と話し合うことを意識しています。
例えば、忘れ物をしたとき。
以前なら「なんで準備してないの!」と叱って終わりでしたが、今では「次はどうすれば忘れないと思う?」と問いかけ、一緒に考えるようにしました。
すると、子ども自身が解決策を見つける力をつけ始めたのです。
叱るより、寄り添う
叱るのではなく、「どうしてこうしたの?」と気持ちを聞き出すことで、子どもが自分の考えを話しやすくなります。
すると親子の対話が増え、自然と子どもが行動を改めるきっかけにもなります。
日常の中で実践できるアプローチ
声掛けの工夫
- 「挑戦したことがすごいね」
- 「次にどうするか考えようか」
- 「あなたが自分で決めていいんだよ」
感情的になりそうなときの対処法
腹が立ったら、まずは一呼吸。
「なぜそうしたのか?」を聞き出すことで、感情をぶつけることなく子どもの本音に寄り添えます。
子どもの自立を促す習慣
家事や宿題など、子どもの課題には口を出しすぎず、結果を見守る姿勢を大切にしましょう。
「どうやる?」と問いかけるだけで、子どもは自分で考える習慣を身につけます。
アドラー流子育てがもたらす変化
- 信頼関係が深まる
「親が自分を信じてくれている」と感じることで、子どもも親を信頼し、自信を持てるようになります。
- 親自身の成長
「親も未完成でいい」という考えに触れることで、自分を追い詰めることが減り、子どもと一緒に成長する喜びを感じられます。
- 家庭全体が明るくなる
感情をぶつけるのではなく、対話を重ねることで、家庭の雰囲気が自然と穏やかになります。
今日からできるアクションプラン
- 「叱る」を「問いかけ」に変える 怒りが湧いたら、「次はどうする?」と問いかけてみましょう。
- 感謝を伝える習慣を持つ 「助かったよ」「ありがとう」と、子どもが家族の一員として必要とされていると感じられる言葉を増やします。
- 親も自分を勇気づける 子どもの前で自分を責めすぎず、「次はこうしよう」と前向きな姿勢を見せるだけで、子どもにも良い影響を与えます。
子どもと一緒に成長する子育てを
アドラー流子育ては、親子が対等な立場で信頼を築き、共に成長する子育て術です。
子どもを叱るのではなく、尊重し、未来を一緒に考える。
それだけで親子の関係は驚くほど変わります。
怒ってしまった過去に囚われる必要はありません。
今日から少しずつ、子どもとの信頼を育む対話を始めてみませんか?
それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!