未来の自分を守るために今日できること

「運動は身体にいい」というのは、誰もが知っていること。
だけど、それだけじゃない。
実は、運動は脳の健康を守り、記憶力や判断力を向上させるということが、近年の研究で次々に明らかになっている。
「最近、物忘れが増えた…」「集中力が続かない…」なんて感じるなら、それは運動不足が原因かもしれない。
今回は、運動が脳を鍛える科学的根拠と、具体的にどんな運動をすれば効果的なのかを詳しく解説していきます。
運動で記憶力が向上する理由
たった10分の運動で記憶力がアップ!
筑波大学の研究では、10分間の軽い運動をすることで、物事を正確に記憶するために重要な「類似記憶の識別能力」が向上することが示された。
たった10分の運動で、脳の記憶機能が活性化するというのは驚きだ。
これは、運動によって海馬(記憶をつかさどる脳の部位)が刺激されるため。
つまり、「運動の後に勉強すると、より覚えやすくなる」 ということ。
今日からできるアクション
- 朝のストレッチを10分間取り入れる
- 仕事や勉強の前に、軽くウォーキングしてみる
- 休憩時間にスクワットや階段の上り下りを行う
20分間の運動で長期記憶が強化!
北海道教育大学と神戸大学の共同研究では、20分間の中強度の運動をした後に記憶学習を行うと、少なくとも8週間後まで記憶が定着していたことが確認された。
つまり、「運動してから勉強や読書をすると、より長く覚えていられる」ということ。
この研究では、サイクリングをした後の学生が、運動をしなかった学生に比べて記憶力テストで明らかに良い成績を残した。
今日からできるアクション
- 仕事や勉強の前に20分のジョギングやウォーキングをしてみる
- 通勤・通学で自転車を活用する
- 仕事の合間に階段を使う習慣をつける
運動が脳を鍛えるメカニズム
では、なぜ運動をすると脳が活性化するのか?
その鍵となるのが、「BDNF(脳由来神経栄養因子)」という物質だ。
BDNFは、神経細胞の成長を促し、記憶力を向上させる働きを持つ。
特に有酸素運動をすると、このBDNFの分泌が増え、記憶力や認知機能が高まることが分かっている。
さらに、運動によって脳への血流が増え、酸素や栄養が十分に供給されることで、脳の働きが活性化する。
結果として、「思考がクリアになる」「集中力が上がる」「記憶力が向上する」などの効果が期待できるのだ。
なぜ人間の体は運動によって脳が活性化するのか?
このメカニズムの背景には、狩猟採集時代の生活が関係している。
人間は長距離を移動しながら狩りをし、食料を得ることで生き延びてきた。そのため、「体を動かすこと」=「生き残るための必須条件」だった。
運動をすると脳が活性化するのは、昔から「運動=食料を得る=生存確率を上げる」という仕組みが備わっていたからだ。
詳しくは、【コラム】狩猟採集時代からの人体のメカニズムをチェック!
どんな運動が脳に良いのか?
研究によると、有酸素運動と筋トレの両方を組み合わせることが理想的だとされている。
軽い有酸素運動(ウォーキング・ヨガなど)
効果:気分をリフレッシュし、ストレスを減らす
具体的なアクションプラン
- 朝のウォーキングを10分取り入れる
- ヨガやストレッチで、体と脳をリラックスさせる
中強度の有酸素運動(ジョギング・サイクリングなど)
効果:脳の血流を増やし、記憶力を強化する
具体的なアクションプラン
- 20分のジョギングを週に3回行う
- 通勤・通学時、買い物などに自転車を活用する
筋トレ(スクワット・腕立て伏せなど)
効果:成長ホルモンの分泌を促し、脳を活性化させる
特に筋トレは、他の運動よりも脳に良い影響を与えることが分かっている。
理由は、筋肉量が増えることで血流が改善し、BDNFの分泌量も増加するため。
また、筋トレによって筋肉から「マイオカイン」という物質が分泌される。
このマイオカインは、脳の炎症を抑え、神経細胞の成長を促す働きをする。
つまり、筋トレは単なる筋肉の増強だけでなく、脳の健康にも大きなメリットをもたらしてくれる。
具体的なアクションプラン
- スクワット10回 × 3セットを朝のルーティンにする
- 腕立て伏せやプランクで筋力を維持する
まとめ:未来の自分を守るために、今日から動こう!
10分間の運動で記憶力がアップする
20分間の運動で、長期記憶が強化される
有酸素運動 × 筋トレを組み合わせることで、脳機能が向上する
「未来の自分を守るためには、今日から運動を始めるのが最善策」 ということだ。
難しいことはしなくていい。
まずは1日10分のウォーキングから始めてみましょう!
運動は、未来の自分への最高の投資であり自分を守る最強の習慣。
今日から、脳と体の健康を守るために、一歩踏み出してみよう。
それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!