育児

親子の絆を強化する秘策

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子どもとの関係づくりで、言葉や約束、ルール設定などはもちろん大切です。

しかし、もっと根っこの部分、いわゆる心が通い合う瞬間をどれだけ共有できているか。

それが子どもの信頼を得るカギになることが、最近の研究や専門家の指摘で明らかになっています。

「親と遊ぶ」ことは子どもにとって当たり前のようでいて、実は非常に奥深い行為。

なかでも身体を大きく使って取っ組み合うラフハウジングは、子どもの感情調整力や思いやり、そして親子の絆を強化する秘策とも言われています。

今回の記事では、ラフハウジングとは何か、その効果や注意点を深掘りしていきます。

ふだん落ち着いた遊びしかしていない方にも、ぜひ一度試してみてほしい。

そこには、子どもの満面の笑顔と、かけがえのない「信頼の瞬間」が待っています。

ラフハウジングとは?

ラフハウジング(Roughhousing)の基本

親子や大人と子どもが取っ組み合い、くすぐったり、軽いプロレスごっこをしたりする身体的な遊び。

英語では「ラフ・アンド・タンブル・プレイ (rough-and-tumble play)」とも呼ばれ、一見乱暴に見えますが、双方が笑顔で遊びとして楽しんでいるのが特徴です。

実は哺乳類共通の遊び。

犬や猫など多くの哺乳類の子どもが、じゃれ合うように体を動かす行動が確認されています。

人間の子どもも同様に、この遊びの中でコミュニケーション能力や社会性を身につけるといわれています。

子どもが得られる2つの大きなメリット

感情の調整力・自己抑制の発達

取っ組み合いで興奮しすぎないようにちょうどいい力加減を覚えていくことで、衝動をコントロールする練習に。

「痛かった?ごめんね」「これ以上はやめよう」といった声かけを通じて、感情を整理しながら落ち着く術を学びます

実際、ラフハウジングをよく経験した子どもは攻撃性が低下し、自分の興奮を抑えるブレーキが働きやすいとの報告も。

社会性の向上

遊びの最中に相手の表情や声を読み取ろうとすることで、共感力やコミュニケーション力を自然に学びます。

「やめて」が冗談なのか本気なのか、相手が笑っているか困っているかを見極めながら動きを調整する、このプロセスが後々の人間関係形成の土台に。

嫌なときはハッキリ「ストップ」と言える体験は、子ども自身が自分の境界線を守る感覚を育てます。

親子の信頼を深める理由

ダイナミックなスキンシップが生む愛着

じゃれ合うとき、自然と抱き合ったり触れ合ったりする場面が増えます。

このとき分泌されるホルモン、オキシトシンは、安心感と絆を強化する作用で知られています。

「パパ/ママに体ごと受け止めてもらった」「転げ回りながら笑い合った」という体験が、「自分は大切にされている」という感覚を子どもに与えます。

子どもの自己肯定感・安心感の向上

動きが激しくても、最終的には親が笑顔で「楽しかったね!」と締めくくってくれる。

この一連の体験が子どもの心の安全基地となり、親を信頼する深いベースを築きます。

思春期になってちょっと親と距離ができたときでも、幼少期のこうした記憶が根底にあると、「話せば分かってくれるかも」と感じやすくなるとも言われています。

ラフハウジングがもたらす認知・学習面へのメリット

前頭前野の活性化

どうやって逃げよう?次はどう動こう?と瞬時に判断を迫られ、脳の実行機能を担う前頭前野が刺激されます。

実行機能が高まると学習能力や問題解決力が上がり、学校の勉強のみならず日常生活でも落ち着いた対応がしやすく。

創造性アップ

「怪獣ごっこ」「宇宙戦士ごっこ」など、ラフハウジングには即興の物語が混ざりやすく、子どもの想像力をかきたてます。

身体を動かしながらの想像遊びは、脳由来神経栄養因子(BDNF)の分泌を促進し、神経細胞の成長を助けるとの研究も。

実践時の注意点—楽しく、安全にが大前提

安全な場所・家具の配置に配慮

家具の角や硬い床に頭をぶつけないよう、マットやクッションのある場所を選ぶ。

ルールを確認

「顔面や首はNG」「痛がるふりをしたら力加減を調整」など事前に子どもと共有、子どもが「やめて」「ストップ」など否定を示したら即停止。

徐々に盛り上げてクールダウンを

最初は穏やかに始め、子どもが興奮しすぎない程度に盛り上げ、最後はゆっくり気持ちを落ち着かせるのがベスト。

年齢・個人差に合わせる

幼児には大人が優しくホールドして転がしたり、学童期なら相撲やプロレスごっこ、思春期なら軽いじゃれ合いやスキンシップ程度など発達段階を考慮。

まとめ:笑い合う取っ組み合いこそ最強の信頼構築

ラフハウジングは一見乱暴に見えるかもしれませんが、実は子どもの感情調整力や社会性、認知機能まで多方面を伸ばす効果があるだけでなく、何より親子の信頼関係を深める最善の方法の一つです。

⭐️ 子どもにとっては親に全身で受け止めてもらう喜びがあり、強い安心感が育つ

⭐️ 親にとっては、子どもの弾ける笑顔を直に感じられる至福の瞬間となり、ストレス解消にもなる

ぜひ、ご家庭の中で無理なく取り入れてみてください。

ちょっとした取っ組み合いで大笑いして、最後はギュッと抱きしめてフィニッシュ。

その短いひと時が、子どもの「パパ/ママを信頼して大丈夫なんだ」という思いを何倍にも育てるはずです。

それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!

PROFILE
のりたま
のりたま
僧侶兼主夫として働く、三人娘の父親ブロガー
健康的で、SDGsな子育てや、人生の質を向上させる有益な情報を発信します。
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