育児

日本と海外の教育の違い

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12月13日から全国公開されたドキュメンタリー映画『小学校~それは小さな社会~』。を見に行ってきました。

東京のごく普通の公立小学校に1年間カメラが入り込み、小学生と先生の日常を追ったこの作品は、海外でも大きな反響を呼び、教育大国フィンランドでは4カ月にわたるロングランヒットを記録しました。

この映画は、説明的なテロップやナレーションを排除し、ただ子どもたちや先生たちの「日常」を映し出しています。

しかしその何気ない日々が、想像以上にドラマチックで、私たち日本人が「いつ、どうやって日本人になったのか」を問いかける内容になっています。

日本の教育の魅力と課題

この映画を通じて浮かび上がるのは、日本の小学校教育の特徴とその影響です。

監督の山崎エマさん自身が語るように、「6歳児は世界のどこでも同じようだけれど、12歳になる頃には日本の子どもは“日本人”になっている」。

協調性や責任感、几帳面さ、集団の中での秩序を守る能力――これらは、間違いなく日本の教育が育んでいる素晴らしい力です。

映画の中でも、運動会や給食、掃除といった学校行事が子どもたちの成長を形作っていく様子が描かれています。

たとえば、運動会では先生たちが順位を正確に判断するためにテープの横で何度も練習を繰り返します。

一方、子どもたちは泣いたり笑ったりしながら、小さな社会の一員として成長していきます。

しかし同時に、日本の教育が抱える課題も見えてきます。

卒業式の準備で、6年生たちがパイプ椅子を「きちんと並べる」ことに神経をとがらせたり、卒業証書の受け取り方を厳格に練習したりする場面では、「同調圧力」や「型にはめる教育」の側面を感じずにはいられません。

海外の教育と日本の教育の違い

この映画が海外で特に注目されたのは、給食や掃除といった「特活(TOKKATSU)」の部分です。

フィンランドでは、生徒自身が掃除をする文化に驚きと賞賛が集まったといいます。

一方で、日本の教育と海外の教育の違いは、もっと根本的な「目的」と「価値観」にあります。

海外の教育:個人を尊重するアプローチ

多くの国では、教育の目的は個人の能力や創造性の発揮、批判的思考、リーダーシップの育成に重点が置かれています。

特にフィンランドでは、「すべての子どもが幸福であること」を教育の最優先事項としています。

授業はテストや競争を減らし、学ぶ楽しさや子どもたちの自主性を重視します。

さらに、少人数制やプロジェクト型学習、現実の課題をテーマにした活動を通じて、思考力や協調性を育てています。

日本の教育:集団の中での責任感と協力

一方、日本の教育は、集団生活を通じた協調性や規律、努力を重視します。

給食や掃除、運動会の準備など、子どもたちが役割分担をしながら協力して行事を成功させる経験は、間違いなく社会に出てから役立つスキルです。

これからの教育に求められるもの

日本の教育の良さを認めつつ、これからの社会で求められる能力を考えると、もう少し「個人の創造性」や「自律性」を重視する方向にシフトしていく必要があるのではないでしょうか。

特にAI時代を迎え、人間に残された価値は「創造性」だと言われています。

規律や協調性も大切ですが、今後は以下のような力が求められるでしょう。

  • 自分で考え、主体的に行動する力
  • 創造的なアイデアを生み出す力
  • 他者と協働しながらもリーダーシップを発揮する力

フィンランド教育に学ぶヒント

参考になるのは、教育大国フィンランドの事例です。

フィンランドでは、学力だけでなく幸福度や社会性、創造性を育む教育が実践されています。

『フィンランドの教育は何故世界一なのか』という本の中では、次のようなポイントが紹介されていました。

  • 子どもの主体性を重視
    • テストよりも「学びのプロセス」を評価し、子どもが自ら学ぶ意欲を高める。
  • 少人数制と個別指導
    • 一人ひとりに目を向けた教育で、全員が取り残されない環境を作る。
  • 教師の質と自由
    • 教師が高い専門性を持ち、授業を自由に設計できる。

家庭でフィンランド教育を取り入れる

日本の学校教育は変えられなくても、家庭で海外の教育的アプローチを取り入れることはできます。

我が家では次のようなことを意識しています。

  • 子どもが自分で考える機会を増やす
    • 買い物の計画や家事の分担など、日常生活の中で自主性を促しています。
  • 長期的な視点を持つ教育
    • テストの点数だけでなく、子どもが将来どんな力を身につけたいのか、一緒に考える時間を作っています。
  • 幅広いスキルを身につけるサポート
    • 学校以外の活動(アート、スポーツ、読書など)を通じて、子どもの興味を広げるようにしています。

映画が教えてくれたこと

『小学校~それは小さな社会~』は、日本の教育の良さを再認識させてくれると同時に、これからの時代に必要な教育の在り方を考えさせる作品です。

日本の教育には素晴らしい部分がたくさんあります。

けれど、変わりゆく社会の中で、個人の創造性や自律性をもっと育てるアプローチも取り入れていけたら、より豊かな教育が実現するのではないでしょうか。

教育は、子どもだけでなく親にとっても学びの場です。

この映画をきっかけに、私たち親も、子どもたちの未来を見据えた教育を一緒に考えていけたらと思います。

それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!

PROFILE
のりたま
のりたま
僧侶兼主夫として働く、三人娘の父親ブロガー
健康的で、SDGsな子育てや、人生の質を向上させる有益な情報を発信します。
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