生まれつきの特性を知る

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日常会話でよく耳にする「性格」と「気質」。

この二つ、どのように違うかご存知ですか?

性格は後天的に、経験や環境によって形成され、成長や努力で変化が可能です。

気質とは遺伝的な要因に基づき、生まれつき備わっている特性で大きくは変えられませんが、環境や努力で調整できます。

例えば、「冒険心が強い」や「内向的」といった気質は、遺伝による初期設定のようなもの。

一方で、「人と上手に話せるようになる」「感情をコントロールする」などは、環境と努力次第で身につけられるのです。

脳内ホルモンと気質の関係

私たちの気質には、脳内ホルモン(神経伝達物質)が大きく関わっています。

代表的な3つのホルモンを見てみましょう。

ドーパミン

  • 役割:モチベーションや快感を司る「報酬ホルモン」
  • 影響:分泌量が多い人は、好奇心旺盛で冒険心が強い。一方、少ないとモチベーションが低下しやすくなります

セロトニン

  • 役割:情緒の安定やストレス耐性をコントロール
  • 影響:セロトニンが豊富だと、冷静で穏やかな性格に。少ないと不安感や攻撃性が高まりやすくなります。

オキシトシン

  • 役割:共感力や信頼感を高める「絆ホルモン」
  • 影響:オキシトシンが多いと、他者とのつながりを楽しめます。少ないと孤独感や社会不安が強くなる傾向があります。

遺伝が気質に与える影響

これらのホルモンの分泌量や感受性は、遺伝的な要因である程度決まっています。

以下は、その具体例です。

  • ドーパミン受容体遺伝子(DRD4)
    • 冒険心やリスクを取る性格に関与
  • セロトニントランスポーター遺伝子(SERT)
    • ストレスへの感受性や不安傾向に影響
  • オキシトシン受容体遺伝子(OXTR)
    • 共感性や社会性の強さに関連。

双子研究では、気質の40~60%が遺伝で決定されることが分かっています。

つまり、私たちの気質には、生まれつきの「初期設定」が存在するのです。

環境が気質をどう変えるのか

「初期設定」である気質も、環境や努力によって調整可能です。

  • セロトニンを活性化する方法
    • 瞑想や運動、日光浴で情緒を安定させる
  • オキシトシンを増やす方法
    • ポジティブな人間関係を築くことで信頼感を高める
  • ドーパミンを引き出す方法
    • 新しい挑戦や目標を達成することでモチベーションを高める

実際、ストレスに弱い人でも、瞑想やリラクゼーションを取り入れることでストレス耐性を高めることができます。

自分の気質を自己診断してみよう

自分の気質を知ることは、人生をより良い方向へ導く第一歩です。

以下の4つの気質特性を「低・中・高」の3段階で自己判断し、自分の傾向を確認してみましょう。

外向性(低・中・高)

特徴:刺激や人との関わりをどれだけ求めるかを示します。

  • 低:一人で過ごす時間を好み、静かで内向的な性格。社会的な場面ではエネルギーを消耗しやすい
  • 中:適度に人と関わりつつ、自分の時間も大切にする
  • 高:社交的でエネルギッシュ。新しい出会いや経験にワクワクする

自己判断のポイント 「人と話すと元気になる」「静かな環境が落ち着く」など、日常で感じるエネルギーの源泉を考えましょう。

情動性(低・中・高)

特徴:感情の安定性やストレスへの反応性を示します。

  • 低:感情が安定しており、ストレス耐性が高い。落ち着いて物事を処理できる
  • 中:日常生活で多少の感情の波があるが、基本的に冷静
  • 高:感情の起伏が激しく、ストレスや不安を感じやすい

自己判断のポイント 「ストレスに強い方だ」「些細なことが気になってしまう」など、ストレスに対する反応を振り返りましょう。

自制心(低・中・高)

特徴:目標達成や衝動を抑える力を示します。

  • 低:衝動的に行動することが多く、計画を立てるのが苦手
  • 中:ある程度の計画性を持ち、状況に応じて柔軟に対応できる
  • 高:計画性が高く、自己コントロールが得意。目標達成に向けた努力を継続できる

自己判断のポイント 「計画通りに物事を進めるのが得意だ」「つい誘惑に負けてしまう」など、自分の行動パターンを思い返してみましょう。

リスク許容度(低・中・高)

特徴:新しい挑戦やリスクをどれだけ許容できるかを示します。

  • 低:安定を重視し、リスクを避ける傾向が強い
  • 中:状況に応じてリスクを取るが、慎重に判断する
  • 高:リスクを取ることに抵抗がなく、新しい挑戦を楽しむ

自己判断のポイント 「安全な選択を好む」「リスクを楽しむ方だ」など、意思決定時の傾向を振り返ってみましょう。

自己診断結果をどう活かす?

各項目で自分の傾向を確認したら、以下のように日常生活や目標設定に活かしてみましょう。

外向性が低い人

一人でリフレッシュする時間を意識的に作る。ただし、時々は新しい環境や人と関わる挑戦をしてみる。

情動性が高い人

ストレス管理を徹底。瞑想や運動を取り入れ、感情の安定を図る。

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自制心が低い人

小さな目標を立て、達成を積み重ねる。スケジュール管理アプリを活用するのもおすすめ。

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リスク許容度が高い人

挑戦するのは得意だが、慎重さも意識することで失敗を減らせる。

気質を理解することで得られるメリット

自分の気質を知ることで、以下のような具体的な行動につなげられます。

  • 自分に合ったキャリアや趣味を選べる
  • ストレスを減らし、より快適な人間関係を築ける
  • 成長のための具体的な目標を設定しやすくなる

気質を調べ、活用することで、今後の人生をより充実させる準備ができます。

気質は、生まれつきの特性として存在しますが、それを否定する必要はありません。

むしろ、自分の「初期設定」を理解し、その特性に合った環境や努力を重ねることで、より自分らしく充実した人生を送ることができます。

自分の気質を知ることで、「こうあるべき」という思い込みから解放され、自分に合った方法で成長を楽しめるのです。

今日から、自分の気質を受け入れ、日常の中で少しずつ努力を積み重ねてみませんか?

その先には、より楽しく豊かな未来が待っているはずです。

それでは、今日も1日、最高に楽しく生きましょう!

PROFILE
のりたま
のりたま
僧侶兼主夫として働く、三人娘の父親ブロガー
健康的で、SDGsな子育てや、人生の質を向上させる有益な情報を発信します。
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